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2026年12月1日に、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金の上限と加入できる年齢が引き上げられる予定です。この記事では、厚生労働省と国民年金基金連合会の公式資料を中心に、上限の変化、60歳以降の加入、掛金を増やす手続きの期限、今の時期に届く控除証明書の使い方までをまとめました。2026年10月時点の情報です。
2026年12月1日に変わる掛金の上限
最初に、2026年12月1日に施行される改正で、会社員、自営業、専業主婦(主夫)の掛金の上限がそれぞれどう変わるのかを区分ごとに見ていきます。
会社員の上限は企業年金と合わせて月6.2万円
厚生労働省の「2025年の制度改正」によると、この改正は令和7年(2025年)6月13日に成立した年金制度改正法によるもので、iDeCoの拠出限度額の引き上げと加入可能年齢の引き上げは2026年12月1日に施行される予定です。
会社員や公務員などの第2号加入者は、これまで勤務先の企業年金の有無でiDeCoの上限が分かれていました。厚生労働省の資料「iDeCo拠出限度額の引き上げ」では、企業年金のない会社員は月額2.3万円、企業年金のある会社員はiDeCoが月額2.0万円とされています。
改正後は、この差がなくなります。企業年金と共通の拠出限度額に一本化したうえで、iDeCoと企業年金等の合計で月額6.2万円に引き上げられる内容です。企業年金のない会社員なら、上限は月2.3万円から6.2万円になり、差し引きで月3.9万円の増額になります。年額にすると、62,000円の12か月分で744,000円まで掛けられる計算です。
企業年金のある会社員は、6.2万円から勤務先の掛金を引いた額がiDeCoの枠。厚生労働省の企業型DC向けの資料「企業型DCの拠出限度額が5.5万円から6.2万円に引き上げられます!」でも、iDeCoを併用する人は月額6.2万円から各月の事業主の拠出額を控除した額が上限になると書かれています。
同じ資料には、事業主の拠出額によっては、iDeCoの上限が小さくなったり、掛金を出せなくなったりすることがあるという注意もあります。DB(確定給付企業年金)には拠出限度額がないことも、資料の注記で触れられている点です。夫婦がどちらも会社員なら、二人とも同じ6.2万円とは限らないので、それぞれの勤務先の制度を見比べることが出発点です。厚生労働省の「私的年金制度の主な改正事項の施行スケジュール」によると、12月より前の2026年4月1日には、企業型DCのマッチング拠出で加入者掛金が事業主掛金を超えてはならないという制限がなくなっています。
国民年金基金連合会が運営するiDeCo公式サイトのお知らせによると、令和8年8月時点のiDeCo加入者数は約406.2万人で、その月の新規加入者は約3.5万人でした。
自営業は月7.5万円に、専業主婦は2.3万円のまま
自営業やフリーランス、学生などの第1号加入者は、iDeCoと国民年金基金などを合わせた共通の上限が、月額6.8万円から7.5万円に上がります。厚生労働省の資料が示す増額幅は0.7万円。60歳以上65歳未満などで国民年金に任意加入している第4号加入者も、同じく月7.5万円の枠です。
一方で、会社員や公務員に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者、つまり第3号加入者の上限は月額2.3万円のまま変わりません。厚生労働省のリーフレット「iDeCoの拠出限度額と加入可能年齢が引き上げられます。」の表でも、改正の前後で第3号加入者は2.3万円と並んでいます。
夫婦の組み合わせで見ると、違いがはっきりするはずです。企業年金のない会社員の夫と、扶養に入っている専業主婦の妻なら、夫の上限は月2.3万円から6.2万円に上がり、妻は2.3万円のままです。二人の上限を足すと、今は月4.6万円、12月分からは月8.5万円になります。
共働きでどちらも企業年金のない会社員なら、二人とも月6.2万円の枠になり、合計は月12.4万円。自営業の夫婦で二人とも第1号加入者なら、国民年金基金などと合わせて一人7.5万円ずつの枠になります。
ただし、上限はあくまで掛けられる額の天井です。iDeCo公式サイトの「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」では、掛金は月々5,000円から始められ、1,000円単位で自由に決められると案内されています。
自営業の人は、国民年金の付加年金にも注意が必要です。厚生労働省のリーフレットには、付加年金の保険料は月額400円と書かれていて、上限を考えるときに確かめる掛金の一つとして挙げられています。国民年金基金に入っている人は、基金から送付される掛金納付結果通知書などで掛金額を確かめる形です。
専業主婦(主夫)の第3号や自営業の第1号は、掛金を毎月ではなく年単位で出す方法も選べます。iDeCo公式サイトによると、企業年金に加入している人や公務員は、この月別指定(年単位)拠出を選べず、毎月定額の拠出のみです。X(旧Twitter)では、改正を前にNISAだけでなく税制優遇をどう組み合わせるか考えたいという声も見られました。
60歳から70歳まで続けられる第5号加入者
次に、12月1日に新しく設けられる「第5号加入者」について、どんな人が対象になり、どんな人は加入できないのかを見ておきます。
第5号加入者になれる3つのタイプ
これまでiDeCoに入るには、国民年金の被保険者であることが条件でした。厚生労働省の資料「iDeCoの加入可能年齢の引き上げ」によると、改正後は国民年金の被保険者でなくても、60歳以上70歳未満で、iDeCoを使った老後の資産形成を続けようとする人が加入・継続拠出できるようになります。公的年金の保険料を納めながら上乗せの私的年金に加入してきた人が、60歳から70歳にかけて資産形成を続けられるようにするための見直しと説明されています。
この新しい区分が第5号加入者です。対象となるのは、次の3つのいずれかに当てはまる人とされています。1つ目はiDeCo加入者、2つ目はiDeCo運用指図者、3つ目は企業年金からiDeCoに資産を移換する人です。
運用指図者とは、掛金は出さずに、それまでに積み立てた資産の運用だけを続けている人のことです。たとえば、60歳を過ぎて掛金を止め、運用だけを続けていた人も、条件を満たせば12月から改めて掛金を出せるようになります。
さらに、3つのどれかに当てはまるうえで、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていないこと、勤務先の企業型DCでマッチング拠出をしていないことも条件です。
第5号加入者の上限は、原則として月額6.2万円。企業年金などがある人は、企業年金等と合計して6.2万円が上限になると資料の注記にあります。
夫婦で年の差がある場合は、この区分が役に立つ場面があります。たとえば夫が先に60歳を迎え、妻はまだ50代という夫婦なら、夫は第5号加入者として70歳になるまで続け、妻は第2号や第3号として続けるという形も考えられるでしょう。iDeCo公式サイトによれば、60歳以上で初めてiDeCoに加入した人が受け取れるのは、加入から5年を経過した日から。
厚生労働省のリーフレットでは、加入可能年齢の引き上げの対象となる人でiDeCoへの加入を希望する場合は、改めて手続きが必要としています。iDeCo加入者や運用指図者に当たる人は利用中の運営管理機関に、企業年金から移換する人など新しく加入する人は、iDeCo公式サイトを見たうえで運営管理機関に問い合わせるよう案内されています。
2029年11月末までの経過措置と加入できない人
改正には経過措置も用意されています。厚生労働省の「2025年の制度改正」によると、施行日から3年を経過する日までの間は、先の3つのタイプに当てはまらない60歳以上70歳未満の人でもiDeCoに加入できます。厚生労働省のリーフレットに書かれた期間は「2029年11月末まで」。
つまり、これまでiDeCoに入っていなかった60代の人でも、2029年11月末までなら、ほかの条件を満たせば新しく始められるということです。夫婦のどちらかが定年後に始めたいと考えている場合、この期限が一つの目安になるでしょう。
一方で、加入できない人の条件もはっきりしています。厚生労働省の資料の注記では、施行日までに老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給した場合は加入できないとしています。
ただし、老齢基礎年金を繰り下げて老齢厚生年金を受け取っている人は加入可能という扱いです。年金を受け取り始める時期の選び方によって、iDeCoに入れるかどうかが変わるので、夫婦で受給の計画を話し合うときにはこの点も一緒に確認しておくと安心です。
iDeCo公式サイトの「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」によると、iDeCoの年金資産は原則60歳から受け取れて、受給を始める時期は75歳になるまでの間で選べます。受け取り方は一時金で一括、年金として分けて、またはその両方を組み合わせる方法から選ぶ仕組みです。年金として受け取る場合は5年以上20年以下の有期年金として扱われ、60歳から受け取るには60歳までの通算加入者等期間が10年以上必要とされています。
60歳を過ぎてから掛金を出し続けるか、受け取りを始めるかは、夫婦の働き方や収入の見通しで変わります。公式サイトによると、加入者などが亡くなった場合は遺族が死亡一時金を受け取れるので、受取人になる配偶者もこの仕組みを知っておくと安心です。75歳までに受給の請求をしなかった場合は、法務局に供託されるとも書かれています。Xでは、60歳まで基本的に現金化できないことを理由に増額をためらうという投稿もありました。お金の予定を二人で共有する方法は「夫婦の予定共有が続かないとき|カレンダーに書く最小ルール」でも紹介しました。
夫婦で区分と掛金の決まりを見直す
ここでは、夫婦それぞれがどの加入区分に当たるのかと、勤務先の制度によって上限がどう変わるのかを、具体的な数字で見ていきます。
夫婦それぞれの加入区分の見分け方
iDeCo公式サイトの「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」では、加入できる人を公的年金の種別で分けています。第1号加入者は20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、フリーランス、学生です。第2号加入者は会社員や公務員など厚生年金の被保険者になります。ただし、65歳以上の厚生年金被保険者で加入期間が120月以上ある、老齢年金の受給権がある人は第2号被保険者ではないと注記されています。
第3号加入者は、第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者です。第4号加入者は国民年金に任意で加入した人で、60歳以上65歳未満の人、または20歳以上65歳未満の海外居住者のうち、保険料の納付済期間が480月に達していない人が当たります。
同じ夫婦でも、働き方が変われば区分も変わります。たとえば妻がパートで働いていて、勤務先の厚生年金に入っていれば第2号、夫の扶養に入っていれば第3号です。区分が変わると上限も変わるので、iDeCo公式サイトでは、まず自分がどの加入区分に属しているかを把握する必要があるとしています。
加入できない人の条件もあります。第1号被保険者のうち、農業者年金の被保険者や、国民年金保険料の納付を免除されている人(一部免除を含む)は加入対象になりません。夫婦で自営業を営んでいる場合は、二人とも保険料を納めているかを確かめておきたいところです。
第2号被保険者でも、勤務先の企業型DCの事業主掛金が年単位で拠出されている人や、企業型DCでマッチング拠出をしている人は加入対象外とされています。
また、公式サイトによると、iDeCoの老齢給付金を受け取ったことがある人や、老齢基礎年金などを繰り上げ受給している人も加入できません。夫婦のどちらかが年金を早めに受け取り始める予定なら、その前にiDeCoをどうするかを決めておくことが大切です。加入するときは、運営管理機関が示す3から35の運用商品の中から自分で選ぶのが基本で、運営管理機関は特定の商品を勧めることはできないと公式サイトにあります。夫婦でも商品選びはそれぞれが自分で決める形です。商品を選ばずに加入した場合に購入される「指定運用方法」を示している運営管理機関もあります。
公務員や企業型DCのある人の上限の出し方
企業年金がある人のiDeCoの上限は、6.2万円から勤務先の掛金を引いて求めます。厚生労働省のリーフレットによると、iDeCoの上限は企業型DCの事業主掛金額、DB(確定給付企業年金)などの他制度掛金相当額、国民年金基金の掛金額などによって決まります。
他制度掛金相当額には、公務員の共済掛金相当額も含まれるという点に注意が必要です。リーフレットでは、国家公務員と地方公務員の共済掛金相当額は月額8,000円、私立学校教職員の私学共済の掛金相当額は月額7,000円と示されています。
この数字を当てはめると、公務員は6.2万円から8,000円を引いて、iDeCoに出せるのは月5.4万円まで。私立学校の教職員なら、6.2万円から7,000円を引いて月5.5万円までになります。夫婦がどちらも公務員なら、二人分の上限は月10.8万円という計算です。
企業型DCがある会社員は、加入中の企業型DCの記録関連運営管理機関の加入者専用サイトで他制度掛金相当額を確かめるよう案内されています。DBに入っている人は、勤務先に問い合わせる形です。複数のDBに入っている場合は、それぞれの掛金相当額の合算が必要。
厚生労働省の企業型DC向けの資料では、企業型DC加入者がiDeCoに入る条件として、事業主掛金が月の上限の範囲内で各月拠出であること、iDeCoの掛金が6.2万円から各月の事業主の拠出額を引いた範囲内で各月拠出であること、マッチング拠出を利用していないことの3つを挙げています。同じ資料の拠出例では、企業型DCの事業主掛金額が2.5万円の場合、12月以降のマッチング拠出は6.2万円から2.5万円を引いた3.7万円まで。資料では、企業型DCの上限を引き上げる際に規約変更が必要となる場合があるとも事業主に伝えています。公式サイトによると、企業型DCと同時に加入している人は年単位拠出を選べません。
同じ資料には、企業型DCを実施している場合、加入者専用サイトでiDeCoの拠出可能見込み額を確かめられるとの記載もあります。夫と妻の勤務先が違えば、上限も別々に計算することになるので、二人分の数字をメモに並べておくと比べやすくなります。
12月分から掛金を増やす手続き
上限が上がっても、掛金は自動では増えません。12月分から増やしたい場合の手続きと、受付の期限を順に見ていきます。
事前受付の期限は運営管理機関ごとに違う
厚生労働省のリーフレットには、拠出限度額の引き上げにあわせて掛金額を変えたい人は手続きが必要、という一文があります。2026年12月分(2027年1月口座引き落とし分)からの変更は、2026年9月頃から受付を予定していて、詳しくは加入しているiDeCoの運営管理機関に問い合わせるよう案内されています。
この事前受付の期限は、運営管理機関によってまちまちです。三菱UFJ銀行の「掛金額変更の事前受付について」では、2026年12月分(2027年1月26日引落分)からの変更について、事前受付の締切を2026年10月31日(土)必着としています。同じページでは、この届出書は事前に掛金額を変えるための専用書式で、A4普通紙に印刷し、縮小や片面印刷では受け付けられないと注意しています。
日本レコード・キーピング・ネットワークの「法改正(2026年12月施行)に伴うiDeCo制度変更のご案内」では、書面郵送による事前受付の期間を2026年9月1日から10月30日までとしていました。どちらも10月末が期限なので、書面で増やす予定の夫婦にとって、残りの日数はわずかです。
事前受付に間に合わなくても、12月分から変える道はあります。「auのiDeCo」の案内では、事前受付はすでに終了したうえで、書類なら2026年12月14日(月)のiDeCo事務センター必着、オンラインなら12月1日から24日までに手続きすれば、12月分の掛金から反映されるとしています。
掛金額の変更回数にも決まりがあるので注意が必要です。iDeCo公式サイトの説明では、掛金額を変えられるのは1年(12月分の掛金から翌年11月分の掛金の間)に1回限り。
auのiDeCoの案内によると、今回の改正の経過措置として、2026年12月1日から2027年11月30日までの特例期間中に、改正前の上限を超える額へ初めて増やす場合は、この年1回の回数に含まれないとしています。
夫婦で金額を相談するときは、それぞれの家計の余裕を先に話し合っておくと揉めにくいものです。話し合いの進め方は「夫婦の話し合いがすぐ喧嘩になる|止め方と伝え方の具体例」でも紹介しました。
e-iDeCoは12月1日から24日まで
オンラインで手続きする場合は、国民年金基金連合会が実施する「e-iDeCo」を使います。厚生労働省のリーフレットによると、e-iDeCoでは2026年12月1日から24日の間に手続きが可能です。ただし、手続きの内容によっては12月分の掛金額変更に反映できない場合があるという注意書きつきです。
e-iDeCoを使えるかどうかは、加入している運営管理機関次第。りそな銀行の「e-iDeCo(電子申請)」では、改正後の上限に対応した掛金額変更の取扱開始を2026年12月1日(火)午前8時の予定としています。
同じページによると、2026年11月30日(月)17時から12月1日(火)8時までは、改正対応のシステムメンテナンスのため、e-iDeCoのオンライン手続きは使えません。控除証明データの電子交付サービスには、メンテナンスはないとされています。
引き落としの時期にも注意が必要です。りそな銀行のページでは、2026年12月28日(月)の引き落としは11月分の掛金なので、改正前の掛金額で引き落とされると説明しています。改正後の初回の掛金は、2027年1月26日(火)の引き落としです。同じページでは、改正後の初回掛金からの変更を希望する場合、12月1日から24日の間に加入者掛金額変更届の提出まで済ませるよう求めています。
iDeCo公式サイトの「ライブラリ」によると、e-iDeCoはマイナポータルを活用したオンライン手続きサービスで、2025年10月から順次、iDeCoの各種変更手続きに対応してきました。
りそな銀行のページでは、アカウント登録の際にマイナポータルから基礎年金番号を事前に取得するので、変更届に基礎年金番号を入力しなくてよいとしています。夫婦で二人分の手続きをする場合も、それぞれのマイナンバーカードで別々に登録する流れです。
書面での手続きは郵送の日数がかかるので、12月14日の締切に向けて早めに準備しておくと安心です。iDeCo公式サイトのお知らせによると、国民年金基金連合会は2026年10月31日(土)10時から11時に、12月の制度改正の内容も扱うiDeCoオンラインセミナーを開く予定で。
今の時期に届く控除証明書と税金
最後に、ちょうど今の時期に届く掛金の控除証明書と、年末調整や確定申告での使い方、iDeCoの税金と手数料を見ていきます。
控除証明書のハガキは10月23日に発送
iDeCo公式サイトのお知らせによると、令和8年分の小規模企業共済等掛金払込証明書(控除証明書)は、電子データが令和8年10月21日から順次発行、ハガキは10月23日に発送される予定です。ハガキが届く対象は、令和8年中にiDeCoの払込実績があった人。
ライブラリの「所得控除の手続きについて」によると、10月下旬の一括発行の対象は、当年1月から9月までに払込実績があった人です。証明書には、1月から9月までに払い込まれた金額と、10月から12月の払込予定金額が記載されます。第1号や第3号の人なら、電子データを直接e-Taxにアップロードして確定申告に使うこともできる仕組みです。払込月を指定していて、当年分の初回拠出を10月以降にしている人の証明書には、10月から12月の払込予定金額が載る形です。
10月に初めて払い込んだ人や、金額の合計に変更があった人には、11月下旬、12月下旬、翌1月下旬に追加発行されます。11月下旬の追加発行分には、1月から10月までに払い込まれた金額と、11月と12月の払込予定金額が載ります。夫婦で加入している場合は、ハガキがそれぞれの名前で1枚ずつ届くので、二人分そろっているかを確かめておきたいところです。
住所変更や証明書の再発行を希望する場合の申し出先は、加入手続きをしたときの受付金融機関(運営管理機関)です。国民年金基金連合会のコールセンター(0570-003-105、平日9時から17時)は、令和8年10月19日から12月28日まで払込証明書の受付期間を設けています。期間中は、ガイダンスで番号「1」(控除証明書についての問い合わせ)を選ぶよう案内されています。
電子データで受け取るには、「e-iDeCoサービス」の利用登録が別途必要です。電子データは、勤務先の年末調整で電子データによる手続きができる場合や、e-Taxでの確定申告に使えます。
注意したいのは、「未納」や「一時停止」などで0円になった月の掛金は追納できないことです。ライブラリの注意事項に書かれている点で、証明書の金額が思っていたより少ない場合は、その月の引き落としができていたかを見直す手がかりになります。
給与天引きと口座振替で違う年末調整
iDeCo公式サイトの税制メリットのページでは、iDeCoの掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象になるとしています。ただし政府広報オンラインは、専業主婦(夫)など課税所得がない人は所得控除を受けられないと注意しています。毎月の掛金が1万円で、所得税10%、住民税10%の場合、年間2.4万円の税金が軽くなるという例が示されているのです。
国税庁の「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」でも、確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金は控除の対象で、控除できる金額はその年に支払った掛金の全額とされています。証明書の代わりに、二次元バーコードが付いた「電磁的記録印刷書面」を添付または提示する方法も可能です。
手続きは、掛金の払い方と加入区分で違ってきます。会社員が給与天引き(事業主払込)で払っている場合は、給与から掛金を差し引いて源泉徴収されるので、個人での申告手続きは不要です。
口座振替(個人払込)の会社員は、年末調整の際に、控除証明書に記載された合計金額を「給与所得者の保険料控除申告書」の「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」欄に記入します。
自営業の第1号や専業主婦(主夫)の第3号、任意加入の人が使うのは、確定申告書の小規模企業共済等掛金控除の欄です。国税庁のページによると、令和8年分以後の確定申告書を令和9年1月1日以後に出すときは、証明書の添付や提示に代えて、一定の事項を書いた明細書を添付できます。
運用益の扱いも通常の投資とは別です。公式サイトによると、通常は運用益に20.315%が課税されますが、iDeCoでは非課税で再投資されます。受け取るときも、年金なら公的年金等控除、一時金なら退職所得控除の対象です。手数料は、国民年金基金連合会の分が加入時に税込2,829円、掛金を納めるたびに税込105円とライブラリに示されています。この手数料は掛金から、運営管理機関の手数料は積み立てた資産から差し引かれます。Xでは、NISAとの両立は厳しいと迷う声もありました。配偶者の控除の変更は「夫婦の年末調整、配偶者控除はどう変わった?令和8年分は配偶者の年収136万円以下、169万円まで38万円、207万円の線など5つ」で紹介しました。
まとめ:夫婦でiDeCo、12月の改正で押さえる5つのこと
- 2026年12月1日から、会社員の上限は企業年金と合わせて月6.2万円、自営業は国民年金基金などと合わせて月7.5万円に上がり、専業主婦(主夫)の第3号は月2.3万円のまま
- 60歳以上70歳未満の人が加入できる第5号加入者が新しく設けられ、2029年11月末までは経過措置で対象が広い
- 公務員は共済掛金相当額の月8,000円を引いた月5.4万円が上限で、企業年金のある人は勤務先の掛金を引いた額になる
- 12月分から増やすには手続きが必要で、書面の事前受付は10月末が締切の例があり、e-iDeCoは12月1日から24日まで
- 控除証明書のハガキは10月23日に発送され、給与天引きなら申告は不要、口座振替なら年末調整、第1号と第3号は確定申告で使う